高熱で寝込んでいる
そんなときは決まって君が夢に出てくる
夢うつつの中の君は笑っていて
飛ばされそうな麦わら帽子を押さえながら、楽しそうに僕の名前を呼ぶ
夢はいつもそこで覚めて
君を失った現実に戻る
もうずっと昔のことのはずなのに
悲しみが蘇って僕は涙を堪えきれなくなる
時間が悲しみを癒やすだなんて嘘だ
出来事は薄まっていくけど
想いが油絵のように積み重なって固まっていく
時間が経てば経つほど固く重なって
いつの間にか想いが出来事を上回る
そんな想いに潰されながら過ごす毎日
時間が悲しみを癒やすだなんて嘘だ